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第5回 「森下自然医学」理論をベースに「静電三法」の技術を活用して完全無農薬栽培に挑む稲作農家「アグリ・なかい」さん(3/3)

◆完全無農薬栽培への挑戦と喜びと苦悩◆

ここからは完全無農薬栽培を続けている中井さんに、栽培当初から現在にいたるまで苦労話や嬉しかったことなどをお聞きしてみました。

Q:周りは皆、通常の稲作をしてる中で、あえて無農薬栽培を決心したのはなぜですか

「無農薬を目指したのは、稲作をする前から両親が玄米食をやっていて、食に対して関心が高かったことからです。できたら無農薬でいきたい、無農薬でいくなら良い苗を作って、健康な稲を作っていくのが基本ですからね。良い苗といえばポットです。現在の機械植えで一番良い苗が出来るのがポット苗です。農家なら誰が見ても一目瞭然な良い苗です。でもポットをやっているのは、僕が知る範囲では東近江市で僕以外に後2軒です。良いとわかっていてもやりませんね。」


Q:良い苗が出来るのになぜ他の方はやらないのですか?

「苗作りというのは前にも言いましたが「苗半作」といわれて云うように一番気を使う作業です。私が使っているポット苗は、通常の田植機では使用できません。この苗作りを失敗すると取り返しが付かないので、失敗した時に苗を手当てできるようにということで、農協の育苗センターが供給しているものと同じものを使うわけですね。また、ポット苗は少し手間が掛かりますので、そこまで手をかけて百姓やっても、もうからへんと誰もが知っているからです。農政が悪いと思います。今では農家の米作りの意欲がなくなったと感じています。昔は反当りで、米が多く取れたら意欲が湧いてたが、今ではその意欲さえも薄れてきている。農業への魅力もないし、後継者がいない・・・・とかで農業切り捨ての状態となっている。日本の農業は将来が展望できない。農家だけに責任を押し付けているのはどうかとおもいます、全体的に考えてもらわないといけない。僕自身は面白いと思ってやっていますけど。全部で6町分つくっています。」


Q:最初から成功しましたか?

「最初の頃は心配で僕もトンネルで保温をしていました。しかし、温度管理のためのトンネルの開け閉めが大変。外気温が10度以下でも太陽が出ると一気にトンネル内は30度以上になるので、他で仕事をしていても太陽が出ると、それをほっぽり出して換気のためトンネルを開けに帰るということが、一ヶ月の間続きます。そんなことから、10年ほど前から今のやり方(常温での苗作り)に替えました。農業雑誌などで先例や関係する情報などから、氷点下にならなきゃ大丈夫という確信をもてましたから。人間と一緒で、どういう環境で育っていくかが大切ですよね。苗の質に格段の違いが出ます。そうして作ったうちの苗は軸の太さが全く違います。」

「また、一般では苗作りの段階から結構農薬を使っていますね。塩水選の後にすぐ殺菌剤で消毒をします。籾殻についている雑菌を処理するためですが。僕のところは一切使っていません。最近、化学薬剤を使わないということで、無農薬栽培や減農薬栽培で60度のお湯に5分間くらい浸けて殺菌する温湯浸積をやっているところも増えてきています。僕は10年以上前まではその方法でやっていましたが、それも止めてしまいました。」

Q:かなり心配で農薬を使うということですよね。

「どうしても失敗しないように、病気にならないように、害虫にやられないようにという不安感が先行して農薬を使うことが多いようです。結局、何もかも防除ということで・・。薬で予防するということ自体あかんと思うし、薬というのは対処療法だから予防できるはずがないと思ってますね。

また先ほどの温湯浸積も、現在ではそれ専用の機械が出来ていますので比較的簡単になりましたが、僕がやっていた頃は風呂でやっていたので大変でした。60度のお湯に浸けるのですから下手をすると籾種が死んでしまいますから。それであまり面倒なので止めてみたら何ともなかった。それやったらする必要はないやんかと思って・・、手間も省けるし。それからやっていませんが全く問題ありません。

結局しっかりとした塩水選で良い種を使うことで、殆どの苗作りでの障害についての心配はなくなると思っています。」



 





出来上がったボカシ肥


Q:病害虫の防除についどのように考えているのですか?

「病害虫の被害についての考え方ですが、これは雑草対策についても同じですが、ある程度の許容範囲内であれば、栽培上別に何の問題もないと思っていますし、実際そのとおりだと実感しています。例えば、苗作りで一番目に見えてわかるのが馬鹿苗です。これも病気の一つですが、一般的にはそれが1本でも出たら大変だということで農薬や温湯浸積をしますが、1箱に2〜3本出るくらいどうちゅうこともないんですよ。僕のところでは1箱に35gを播くとして、籾数は1200粒あるわけで、仮に10本出たところで1%にもなりません。そのうち枯れてしまうから収量にも殆ど影響ないと思うんですがね。雑草対策でも、絶対に草を生やさないと思えば除草剤をまくしかないですよ。しかし、ある程度の許容範囲を認めれば案外気楽に無農薬栽培が出来ます。そして、やっぱり根本的には健康に育つような環境を整えることで大部分の病虫害は回避できるということです。薄く播いて、粗く植える、肥は控えるの3点ですね。」



Q:米ヌカと放線有機の散布はどんな効果が期待できるのですか

「苗箱を並べる1ヶ月以上前に米ヌカと放線有機を田んぼの中に散布することで土となじみ、最適の状態になります。土作つくりの基本となります。」

「先ず米ぬかですが、これは除草対策で使い始めたわけです。米ぬかが分解される過程で田んぼの表面の水の中が還元状態になり、酸素の好きなヒエ等の雑草が生えなくなります。また、米ぬかを散布すると糸ミミズが大量に発生し、田んぼの表面のトロトロになった部分、これをトロトロ層と呼んでいますがこれが増えます。そのことにより雑草の種が下に沈み、発生しにくくなるということもあります。米ぬかを使うことによる副産物的な効果として、お米の味がよくなったのではないかと感じています。それは米ぬかに含まれる多くの微量要素が微生物により稲に吸収されるような形となり、それが食味の向上に繋がっているのではと思っています。次に放線有機ですが、これは静岡の肥料屋さんから取り寄せています。ウズラ糞、魚節煮かす、米ぬか、コンブ粕、破卵、カニガラ粉末を嫌気性微生物群で発酵させたものです。肥料の種類としては、たい肥に分類されるものです。この放線有機(動物有機100%発酵肥料)に含まれる微生物が米ぬかの分解にも積極的にかかわって土作りにプラスの作用をもたらしていると思っています。どちらにしても、僕は研究者じゃないので、実際に科学的分析等を行ったわけでもないので本当のところはわかりませんが、あくまで実践の中での実感です。」


Q:肥料のやり方についてはどうですか?

「肥培管理についての考え方として、一般的には栽培する農作物、米作りに於ては稲ですが、その栄養分として肥料を施します。これは化学肥料で栽培している農家でも有機質肥料を使っている農家に於てもそのように考えていると思います。しかし僕は、米ぬかや放線有機は田んぼの中の微生物を育てる、そしてその副産物を稲が吸収して生長すると捉えています。そのような観点から、米ぬかは田植と同時に散布し、放線有機は3月から4月の田起しの時点で散布しています。田植後は原則なにもやっていません。そんなやり方で収量が激減するかというと、そうでもありません。まぁ、もともとうちは他よりは少ないですが、それでも平均反収は7〜7.5俵ぐらいは取れます。穂肥をやるともう少し収量は上がると思いますが、やっぱり振れませんね。ホームページで直接販売をして、メールや電話で”おいしかったです”の声を聞くと、よりもっとうまい米を作くりたい、そういった期待を超えるより良いものを、という思いが湧いてきます。それが自然な感情ですようね。そうすると食味が落ちると判っている穂肥はやれませんね。」

 





トロトロ層







放線有機


Q:質の良い、喜んでもらう米を作ろうと思うと収量はあまり考えないということですか

「有機栽培だからうまい米が出来るとは云えません。化学肥料で作る場合も、有機質肥料のみの有機栽培でも同じで、たくさんやったらうまい米はできません。収量が多くなると食味は落ちる。食味と収量は正比例するといいのですが、反比例します。

一般的には肥料で米を取るという考え方から、米作りに於ては
・分けつを促進する元肥:田植前及び田植時
・栄養成長期の稲体の維持のための追肥:田植後一ヶ月前後
・収量を確保するための穂肥:穂が出る25日前を目安
・付いた籾をしっかりと太らせるための実肥:穂が出てから
というように何回にも分けて肥料を散布します。

特に収量に一番大きく関係するのが穂肥で、穂肥をどれだけ多くやれるような田んぼを作るか一般栽培のポイントです。多収穫を目指す、一般的に云われるところの篤農家はそのポイントをしっかりと押さえへ穂肥をしっかりと効かせます。でも確実に食味は落ちていると思います。肥料と食味の関係については僕が読んだ資料でもはっきりと書いてありました。

実際に僕がやっている米ぬかと放線有機の量は、
・米ぬか:10a当り100〜200s
・放線有機:10a当り5〜6本で75s〜90s
です。

重量だけをみると多そうですが、肥料成分でみるとそう多くはありません。肥料をどれだけやるかを総重量だけでみると勘違いします。肥料の量の一番基準になるのが窒素成分で、放線有機は窒素成分が5.9%、米ぬかは2%程度です。ちなみに化学肥料では窒素成分が15%前後ですから、例えば「元肥に反2本」とすると1本20sですから、6kgの窒素がはいっていることになります。」


Q:雑草との戦いはどのようになさっているのですか

「除草対策として乳酸発酵させた米ヌカペレットを10a当り100〜200kg散布します。これは相当タフな作業ですので何とかしたいと思い、2002年から田植同時散布のテストを開始し、2004年から本格的に田植同時散布を行なっています。
1.分解発酵過程で生じる有機酸による雑草の発芽発根を抑制すること。
2.微生物の増殖。
3.結果として稲への養分供給。

期待の雑草の抑草効果に於ては、ヒエなどには十分な効果があり、ほとんど発生しません。後は機械除草で対応します。除草と栄養分補給として使っている米ヌカは除草といっても100%ではないから、酸素を好むヒエとかには効果的だが、逆に還元状態を好むコナギとか別の雑草は全然効果がない。だから機械除草をやります。それが一番オーソドックスなやり方です。無農薬栽培をする人が一番頭を悩ませるのが除草対策をどのようにするかですが、いろんなやり方はあるけど、僕自身はある程度の面積にも対応できる、米ぬかと機械除草でやるのが、現在のところ一番やりやすいと思っています。

 





田んぼの中の雑草:コナギ

草を土の中に押し込む機械除草は一往復するだけで、1反(10a)1時間強かかります。一般のやり方では除草剤をかけるのには1反で5分もかかりませんけど。機械除草は田植後1ヶ月前後をめどに、1回1往復行います。始めの頃は片道1回をかけた後、1週間後にもう1回というやり方をしていましたが、1回に往復をかけるほうが効果的なことが経験上わかってきました。雑草がひどい所は2回する場所もあります。雑草との戦いですね。機械除草はするタイミングがポイントになります。

乗用除草機を入れると田んぼの枕地は旋回のためグチャグチャになり、稲が倒れてしまい、日当たりが良くなりその部分は草が繁茂しますが、それは問題にしていません。というより、そんなことまで気にしていたら無農薬なんてやってられません。稲がまあまあ伸びると、もう除草が成功したかどうかがわかります。失敗した時には、黒グワイ、ホタルイ、オモダカ、コナギ、イボ草とか、いっぱい雑草が生えてしまう。こうなるともうお手上げです。なるようになれということですよ。実際そんなこともありました。人からは哂われるし、大減収で反4表しか取れなかった。がっかりしましたね。除草作業はタイミングです。それで全く違った結果になります。もちろん収量も全然違ってきます「上農は草を見ずして草をとる」ということわざがあるが、それくらいにしなきゃいかんということですよ。草が見えてきたらもう遅いという意味です。また、米ヌカをまくと温度の関係で藻が生えることがあります。すると除草機械に絡みついて植わっている苗はその藻に押されてトロトロ層の中に押し込まれたりと、なかなか100%うまくいくということはないですよ。」


Q:そこまでして無農薬でやるということは消費者の声が聞こえてくるからですか

「そりゃそうですよ。除草剤を使おうと誘惑にかられることもあるが、一度決めたことだからやりとうそうと。除草剤をやっているみたいに1本も草も生えてないという状態はないが、最近は、除草機を入れるタイミングを逃さない限り、ある程度辛抱できる状態には出来るという確信を持てるようになりました。」


Q:台風とかの被害とか大変な目にあったことはないんですか

「それは無いですね。うちの田んぼは田植をしてからは肥料はやりませんからね。ですから第4・5節間がのびてませんから。他の田んぼの稲が倒れてもうちの田んぼは倒れません。もし自分の田んぼが倒れたら他の田んぼは全部倒れるやろぐらいに自信を持ってます。先ほど一般の肥料の散布を説明しましたが、倒伏と一番関係のあるのが穂肥です。この穂肥をやるとどうしても第4,5節間が伸びます。それで出来るだけ伸びないよう、穂肥をやる前には完全に肥が利いていない状態、農家では”色を落とす”と云いますが、そういう状態にして出来るだけ多くの穂肥をやるのが収量を多く取るコツとなります。結局収量のために稲の生理を無視して肥料で生育をコントロールしているんですね。」


Q:無農薬栽培をやる上で、他の農薬を蒔いている周りの田んぼから害虫等が飛んできて被害に合われるというケースはないのですか。

「そんなこと考えたことはありません。他の田んぼから害虫が飛んできて被害にあったということは聞いたことありませんね。今防除をやっているのは、「今、イモチが発生したから」、「ウンカが入っているから」と云ってやっている農家というのは先ずいないですよ。航空防除とかも田植をする前から散布の日が決まっていて、虫がいるか、いないかなんて関係ないんですよ。気休めのためにやっているのが現状です。例えば、夏に「冬には風邪を引くことがあるから、12月20日に風邪薬を飲むように」と決めて、その日がきたら風邪も引いていないのに風邪薬を飲む、そんなことしている人っています?・・・。ありえませんよね。航空防除や一斉防除はまさしくこれと同じことです。」


Q:害虫が一番発生する時期はいつ頃ですか?

「時期的には春先に稲ゾウムシとかはいるけど、ほとんど問題ない。僕が最近一番問題だと思っているのがカメムシ。近年温暖化の影響かわかりませんが、ものすごく増えているように思います。特に米作りでは登熟期にあたる夏から秋にかけてのカメムシは最悪。収量とかの関係はないのですが班点米ができる。完全に硬くなる前に吸引され、そこが黒い斑点として残ってしまう。現状では、カメムシには中々効果的な対策が無いのが実情です。田んぼでの対策ではありませんが、うちでは色彩選別機で斑点米を取っています。農家レベルで色彩選別機を持っているところは今ではまだ殆どいないと思います。」


Q:他の無農薬で稲作をされている方との情報交換はされてますか

「無農薬栽培は僕が知っているのはこのあたり、東近江市ではあと2軒です。一軒は冬季湛水不耕起田植をやっている人、もう一人は僕と同じ米ぬかを利用した栽培方法で取り組んでいる人、この人はアイガモもやっています。冬季湛水に取り組んでいる人もやっぱり雑草対策で苦慮しています。雑草が繁茂して反1〜2俵の田んぼもあったようです。冬季湛水はNHKでも取り上げられましたが、このときの放送を見ましたが、良いところばかりを見せており、これを見た消費者や街の人は冬季湛水をやればすぐにでも無農薬栽培が可能なように思ったと思います。僕も2年間冬季湛水をやりましたので断言しますが、実際は違います。それと冬に田んぼに水をはるというのはよほど周囲の理解を得ないと大変です。どうしても畦を通して隣の田んぼに水が漏れ、そこに麦等が作付けされていると湿害を招く原因となったりします。また、アイガモについては除草効果というのは最高ですが、動物や鳥の被害を防ぐための電気柵やネットを田んぼ毎に張る手間やその費用が結構かかります。その方もやっているのは1枚だけ。パフォーマンスはいいけど全面積はとてもじゃないが出来ませんね。また、アイガモは、いま鳥インフルエンザのことが問題になっていますけど、その媒体となる可能性が十分あるように思います。いづれにしても、どの方法に於ても問題点の一つや二つは出てくるものです。情報交換をしながら少しでも無農薬栽培に関するノウハウを蓄積できればと思っています。」


アグリなかいの無農薬栽培米をご購入されたい方は下記HPからご注文下さい。
アグリなかい 中井 勤
〒529−1531
滋賀県東近江市市子川原町725
TEL&FAX:0748−55−0142
URL:
http://agri-1.com/
               現在、各種新米を発売中です!!


編集後記


中井さんの目指す米つくりは、森下敬一博士が提唱する「自然医学」理論に基づき、つまり病気を生命現象の現れと捉え、食物から体細胞へという生命の誕生、そして進化論的考察をベースにおき、米作りにおいても、この生命現象としての米の生長という観点を常に念頭に置きながら取り組んでいる。

第1弾にも記述いたしましたが医学者である森下氏と科学者・電気工学者である楢崎氏は親交があり、森下氏がたびたび楢崎家を訪れていたとのお話を楢崎氏のお嬢様である石田博子様から伺っています。立場の違う両者は自然界を見つめる本質論において共感していたのではないでしょうか。

楢崎皐月は生命現象は電気現象であるとその本質を述べています。「静電三法」の植物波農法、人体波健康法は、その本質的な捉え方から成り立っています。中井さんの自然と農作物を見つめる直観力は農業という実践の場において両者の理論を融合し見事に実践されているのではないでしょうか。中井さんの強い信念のもと生産されている無農薬栽培米は、私たち消費者が真に求める安全・安心で美味しい農産物であり、また、健康、環境にもやさしい21世紀の模範となり、また、モデルとなる稲作の形であると実感しました。

また、今回の取材でご紹介したように、中井さんの家族と消費者の健康を真剣に考え、消費者の喜びと期待に答える安全・安心な農産物を生産するため、日々研究、努力を続ける中井さんの志を農業に係わる全ての人々に声を大にして伝えたい。
農業に従事している方々がこれまでの便利さ、効率主義の農薬・化学肥料多用の農業を振り返り、命を繋ぐ本来の農産物生産のあり方を今一度真剣に考える時期に来ていると思います。そして、私たち消費者も農業生産の現場をもっとよく知り、興味を寄せながら生産者の方々の日々の努力、苦労に感謝する心を持ち、自然と共存しながら命の糧を創り出し、それを食する喜びを共有し、共に生かされていることに気づき、互いを思いやる気持ちが求められています。

中井さんは農業が本業ではありませんでした。パソコンも独学で勉強し、自らホームページを開設しビジネス的にも成功しつつあります。また、中井さんには病害虫の防除、増産などに効果のある電子水の葉面散布、田んぼへの炭素埋設、大気電位の調整など「静電三法」の技術のより一層の活用を期待いたします。

記者は中井さんご自慢の無農薬米・ミルキークイーンを早速取り寄せ食してみた。米粒は多少小さめだが、お米のつや、粘りが際立ち、口に入れた時の甘い食味と香り、適度な歯ごたえがなんともいえない幸せな気分に浸りました。
完全無農薬栽培の新米を食べられる贅沢に心から感謝しています。

2007年8月30日取材
大塚 啓恵